第4章 邪魔者
今まで、何度も何度も、歯噛みする思いを
させられてきた。
ただ、男だってだけで、同性愛者だってだけで、
一番欲しいものは決して手に入らなかった。
だから、今度こそ自分だけを見てくれる
相手でなければイヤだ……
絶対に付き合わないと
心に決めていたのに……………。
「ふざけんなよっ……!
結局どいつもこいつも一緒じゃないか…!」
無意識に言葉が飛び出す。
勝手に涙が頬を濡らす。
それをグイと拭き取って、頭を上げる。
まだ泣けるんだ…
まだ腹が立つんだ……。
だったら大丈夫。
この怒りがあるかぎり、俺は生きていける…
……進んでいける……。
そうしてスマホを手に取り、
休みの日になんか見たくもない男を
呼び出したの、
意地以外の何ものでもなかった。