第4章 邪魔者
なんて………………
前途洋々な若者を縛りつけるようなことばかり
考えてるようじゃ、マジで教師失格だと思う。
そんな苛立たしさを智が抱えているなんて
今まさに夢を現実に変えようとしている
翔にはわかるはずもない。
「もういいよ…
他のヤツの話なんかやめよう…………。」
…………だから俺は、ひたすら我慢する。
「翔、それよりどこ行く?」
せめて、今だけでも精一杯楽しもうと…
気持ちを切り替えて、
翔の腕にしがみつこうとした、
だが、そのとたん……
それがスッと反らされてしまった。
智はガクッとつんのめってしまう。
「おい…何だよ~?」
まさか、避けられるとは思わなかった
智は、唖然と翔を見上げる。
「ゴメン…。ちょっと……今はそういうの
マズイんだよ……」
「…え…?」
「いや、だから、妙なことになると…」
「妙なこと………って、何だよ?」
「そんな事わかってるくせに…
これ以上は絡むなよ。
夏休みの間だけだから…。
今んところ、だだ練習に参加させてもらってる
だけなんだから…。
チームに迷惑かけるわけには
いかないんだって……。」
瞬間ーー・・、頭に血が上って怒りに震えた。
「へぇ~!!
やっぱり翔でも人の目を気にするんだ」
そうか、そうだよなぁ~
お前だってそう考えるんだったら…
他人が同じ事を、感じたって変じゃない。
でも、翔はこんな中途半端な態度を
とる男じゃなかったのに。
以前は、街中でも平気で智の腰に手を
回してきた。
でも、やっぱり…夢に手が届くと、欲が出たら
いきなり周囲の視線が気になり出すのか…。
予想はしていた。
もちろん、覚悟もしていた。
まぁ…それなりには…
でも、何度経験しても決して慣れることはない。
そう、グリグリとえぐられるような
胸の痛みにはーー…。