• テキストサイズ

もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第4章 邪魔者



だけど…………
それを翔に伝えてしまえば…


きっとあいつは、
そんなバカなと笑うだけだから………

だから、智は口をつぐむしかないのだ。

「翔…お願いだから………
せめて、あいつに必要以上に優しくしないで
くれる?」

「………っでも………
普通、身体の弱いヤツが目の前にいれば
手ぐらい貸すだろ?

カズさんや智だって、困っている人がいたら
飛んでいって手助けするだろ?

それと一緒だと俺は思うけど…。」


「で、でも、そんな病弱をひけらかすなら
激務のマネージャーなんか、
やらなきゃいいんだよ!!」

「智…それは、教師のセリフじゃないよ。

資質に欠ける人間は、
何もしちゃいけないってこと?
そりゃあ、社会に出れば智の理屈も
通用するのかもしれないけど…

でも、大学の部活だよ。
伊野尾だけじゃなくって、人は皆んな欠点の
一つや二つあると思うんだ…。

それをお互いが認めて、
協力しあいながら助け合って、
信頼とか想いやりとかを
学ぶんじゃないのかなぁ~

学校ってそういう場所じゃないの?」

「……………」
と、学生に説教されていては、話にならない。

「……翔お前教師になればー
俺よりもよっぽど向いてるよ……」


イヤミでもなく素直に言ってしまう。
智だって、こんな自分は嫌いなのだ。

たかが大学の友人や、幼馴染みや家族…
キャッキャッと勝手に騒ぎ立てる女ども

いいや…それどころか翔の夢である
サッカーにまで嫉妬している自分がいる。

俺だけを見ていてくれ…
俺だけのそばにいてくれ……


俺だけを愛し続けてくれーーーーー。

翔を取りまくすべてが煩わしく
いっそのこと大学なんてやめてくれれば…

家族もサッカーも捨てて、
俺のことだけ考えていて欲しい!!!!


/ 238ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp