第1章 新たな始まり
「大体俺は
みんなが思ってるほどおキレイな
スポーツマンじゃないからね。
フォワードは相手の心理を読み取って
その裏をかくことが必要なんだよ」
「お前は、俺を追い詰めて
楽しんでいるのか?」
「追い詰められて、
あんまりに可愛すぎる
からだよ。」
「が…ガキのくせに……!」
「そのガキに抱かれて
悦んでるのはだぁ~れ?」
「うるさいっ!!」
「言ってみろよ。
もっと俺に抱かれたいって…
生徒に犯されて、
教師のプライドズタズタにされたのに…
なのに、虐められるのが
堪らなく嬉しかったって…」
「だ……誰がっ…………!」
と強がってみても、
さっきから撫でくり回されている尻は
もうジンジンと疼いている。
(もーーーっ、く…悔しいぃぃぃ~!)
翔に出逢うまで、
智はただの一度も年下に
抱かれる事はなかった。
男として…
男が抱かれる性癖をもって
生まれてしまった智にとって、
年下に抱かれないことだけが、
最後の見栄だった。
相手が年上の男だから
精神的にも頼れるから、
ついつい甘えて抱かれたく
なってしまうのだと…
それを最後の砦にして
ギリギリのところで
男としてのプライドを
保っていたのに……
もう惚れてしまったんだから
年齢差はしようがない。
それは我慢しよう…
でもだ…!!
どうしていつも主導権を
取られてしまうんだろう?
「いいか。
俺は、年下なんか、
まるっきり守備範囲外
だったんだから…。
年下だって最初から知っていたら、
絶対、絶対…
相手なんかしなかったんだから!!!」
と、ついつい自分の優位を
主張してしまう。
「それも教え子なんて、
ドキドキどころか、
ギクギクしているんだか…
そこんところ忘れないでよ…」
「うん。わかってよ」