• テキストサイズ

もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第3章 新たな対手



と…まぁ…いったん怒りモードに
切り替わった智は怖いよ。

「それだけ言ってさ、
もしも俺が同性愛者じゃなかったら
とうするわけ?

名誉棄損で訴えるよ。」

「えーーー……!?」

「あんまり、人を甘く見ない方がいいよ。
俺の叔父さん超大企業の社長だからね…。

俺が恥をかかされたって知ったら
絶対ほっとかないよ。

翔どころか、あんたの方が潰されるよ。
マネージャーやめさせられちゃうかも…。」

だか、伊野尾も、一見儚げに見えて
なかなか芯は強いらしい。

智の脅しにも引く気配はない。

「俺はどうなっていい。
でも、あいつは翔は本物なんだ!
マジで日本代表になって、
ワールドカップで活躍できるだけの
力があるんだ…。

本物の天才なんだよ!!」

「ずいぶん翔の才能を買ってるんだね。」
「そりゃあ、サッカー部の連中は
誰だってそう思っているんです。」

「翔の才能ってサッカーだけ?」
「………え………?」

「俺しか知らないけど…
他にもっとすごい才能があるんだぜ」

智は思わせぶりに笑う。
一番の才能はサッカーなんかじゃない。
こんな自分を幸せにしてくれたことだ。

こんな頑固者で、甘えん坊の男を
骨抜きにしたってことが、
あいつの一番の才能だと智は思う。



誰も知らない。
自分しか知らない。

優しい男。
誠実な男。
逞しい男。
愛おしい男………。

『別れ…』それがあいつの望みださて言うなら
しかたがない。
別れてやってもいい。

泣いて、泣いて、目がとけてしまって
もう二度と翔が見られないなら
それでいいと思うほど……

翔は俺を夢中にさせてくれた男だからーーー…。



「別れてもいいよ………」




/ 238ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp