第3章 新たな対手
「そりゃあ女顔だけど。
俺から見たら、君の方がよほど女に見えるよ。」
「でも……、あなたは、
同性愛者だってウワサが…」
「ウワサ?
それ、証拠があるの?
俺が同性愛者で、翔の恋人だって、
何かハッキリとした証明できるようなものが
あるわけ?」
「………」
「誰か聞いたウワサ?
どうせ、翔の取り巻きの女達だろう?」
「それは……」
「まぁ…マネージャーとしては、
Jリーガーになる誘いを断る翔が理解できず
あれこれ探ったんだね。
で、これはどうやら高校時代の
教師とできているらしい。
それも、相手は男らしい。
翔の将来を考えるなら、
そんなスキャンダラスな恋愛は認められない。
これはもう別れさせるしかないと………
お優しいマネージャーさん思ったわけだ?」
「あいつの将来を考えるなら、
男と付き合いなんて……
それも年上の元教師なんて…
リスクにしかならないことは
先生だって、わかっているでしょう。」
「………」
「だったら、これ以上翔の足を
引っ張るようなことは
やめてくれませんか………」
瞬間、智の顔が、明らかに不快の色に染まった。
このクソマネージャー……
言っちゃあいけないことを言ったな…
俺は、頑固で柔軟性がないんだよっ。
ただ、一番嫌いなのは、人指図されること…
それだれは、絶対に我慢できないんだよっ。
そりゃあ、恋人から直接
もう付き合えないって言われれば
しょうがないと諦めるさ。
わざわざお説教されなくたって
男同士のリスクなんか承知だから。
自慢じゃないけど…
過去に四回も失恋しているんだもん。
ちゃんと学ぶべきことは学んだし
翔のことだって他人に言われなくたって
ちゃあんと考えいるよ。
でも……俺はやっぱり耳を貸せるのは
恋人だけなんだよ。
他人から、ましてや今日初めて逢ったヤツから
あれこれ指図されるのは
ぜっっっっったいに嫌なんだよ!!!!