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もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第2章 足並みの乱れ



自分のことなんかどうでもよかった。

今までだって何にも隠さず欲望のまま、
男を愛してきたのだから……………。

だから、他人の視線なんか気にしたこともない。

少々の中傷なんか、幻聴かなんかと思い
聞こえないフリをしていた。

どうせ自分は一生男しか愛せないと
完全に開き直り、普通なら知られて
困るはずの身内である和也が
認めてくれたのであれば、
怖いモノなどもう何もない。



だけど、翔はそうはいかない。
智は、和也の時に起きた
騒動を思い出していた。

同じ姿、同じ声、同じように男を
愛してしまった兄なのに、
智はしかたがないと黙認され、
和也はとんでもない暴挙と反対をされた。

その理不尽な反応の差は、
智は自由奔放な性格で
和也は、頭の回転も速く有能な
人材ゆえにおこったものだった。

いつもフラフラ道草食ってるような人間は、
しょうがないと諦められ、許されたのに

真面目に自分の生き方を真剣に考え
成果をだしている人間は、
常に常識を求められる。

世の中には、そんな期待という名の
身勝手な矛盾がはびこっている。

そして、翔はもちろん
期待されている側の人間だ。

より強く、より逞しく、より清らかに
穢れることを許さぬ人種なのだ。

スポーツマンシップという、
聞こえのいい言葉でもって………………。

今さら誰が、そんな脇道に逸れることを
許してくれるのだろう。

「お前なんか、何にもわからないクセに…。
男だってだけで捨てられる気持ちや、
女と比べられる辛さなんて……


何にも知らないクセにーーーー…!!」



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