• テキストサイズ

もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第2章 足並みの乱れ



「俺との関係を続けたいなら、
もっと真剣に考えてくれーーー…!!」

智を慰めるために伸ばしかけた手を
翔は途中で引っ込めた。

眉をわずかに寄せて
戸惑ったように視線を逸らす。

「…俺……」
いつもはハッキリとした翔にしては珍しく
何やら言いずらそうに口を濁す。

「何だよ?ハッキリ言えよ。」
「舞に…妹に言っちゃた……」

「え…?」
「妹の友達に……
なんかゲイに興味のある子がいて…
この前ウチに遊びに来て話してたんだけど、
その手の漫画とか好きなんだって……」

「…な……………。」

「俺がサッカーやってるって言ったら、
体育会系にはホモって多いの?って訊かれて、
舞もノッて話してたから、
つい、俺の好きな人は男だって…………」

「----------…。」

その瞬間……智の顔からスウッと血の気が
引いていったのが、見ている翔にもわかった。

「そ、それで…、妹さんは…何て…?」

もう、怒る気力もなくなって
グニャリと、視界が歪んでいく。

耳元で血流の音が、うるさいほど
響いていた。

「それが、冗談だと思ったみたいなんだ。
うっそーとか言って、笑ってた……」

翔のその言葉で、ようやくホッとしたように
智は床に俯せた。

「……どうして……大事なことを
うっかり言っちゃうんだよ…

だから、お前はヘタレって
言われるんだよ……………。」

「でも、舞は大丈夫だ」

「お前なぁ~そんな保証どこにもないだろう。」

ノロノロと顔を上げ、疲れた声を吐き出した。

「もう嫌なんだよ…俺は…」

乱れた前髪を掻き上げるフリをしながら
こっそりと涙に潤んだ目を拭う。

「男ってだけで、汚らわしいものを
見るような目でみられ、
罵られるの……………。」

でも、智の本音は違った。

/ 238ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp