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もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第2章 足並みの乱れ



さらに、胸ぐらをつかみながら叫ぶ

「わかってるのか?
説明したあげく、どうなると思う。
お前を誑かした悪者にされるのは俺なんだぞ。

淫乱でどうしようもない教師だって……………」

「俺は誑かされたわけじゃない。
同意の上でしてることだ!」

「同意も何も関係ないんだよっ!
教師の俺が未成年のお前に猥褻行為を
しただけで、犯罪なんだよ!!

お前頭いいくせに……

そんなこともわからないのかよっ!!!」
「……………」

「お前とのことがバレれば、
最悪教師と罵られ、責任を取らされ
俺は教師の資格まで失うことになるんだぞ!!!」

悲痛な叫びが、部屋に木霊する。
翔の服を掴む手が、小刻みに震えている。

「智…声大きいよ…」
こんな時でも理性を失わない翔に
指摘されて、ようやく我に返る。

自分で世間の目を気にしろと言っておきながら、
怒りで我を忘れ、隣の部屋に
聞かれているかもしれない危険性を
すっかり忘却してしまっていた。

感情的になればなるほど
言葉が止まらなくなる。

「そ・そんなこと、
わかってるよ……………。」
智はキュッと唇を噛んだ。

だから…ダメなんだ……………。
こうやってすぐにボロが出でしまう。

智は力を無くしたように
腰を下ろした。

そして、ボソリと呟いた。
「翔はそんなに家族が大事?」
「……………。」

「だったら俺とは別れた方がいい……
それが一番の親孝行だよ……」
「智と別れる気はない!!!」

「だったら…何があっても、
どんなに信頼できる友人だろうと
男と付き合ってることは、一言だって言うな…
一生口をとざしていることだね。」

怒りで紅潮してしまった頬は
こんな時でさえ、智を可愛くみせる。

不安に潤んだ瞳を見ているだけで
翔は抱き締めてやりたい愛欲を湧きあがらせる。

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