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もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第2章 足並みの乱れ



幼い頃から自分の性癖に気づき、
楽しく生きてきた智とは対照的に
計画的に自分の道をしっかり
見定めながら生きてきた和也は、
やはり、智と同じように可愛い顔をしてるゆえに
女との恋愛はうまくいかず
恋愛不信になってしまっていた。

そんな和也に巡りまくって
心を揺るがした相手が
会社の同僚として机を並べている
松本潤だった。

だか、それは、運命なんてキレイな事で
すむような恋ではなかった。

潤には8歳のになる侑李という子供がいる。

潤の両親は彼が10歳の時に他界し
幼かった潤は、親戚をたらい回しにされ
悲惨な過去を背負いながら生きてきた。

そんな潤と『大野株式会社』の社長の三男坊で
智とは違って、周囲から多大な期待を
かけられていた和也が潤と恋に落ちたとなれば
異母兄の智也と達也を激怒させた。

誰にも認めてもらえない恋。
それでも、和也は、家も
名誉も、金も捨て、愛する男の腕に
飛び込んでいったのだ。

スポーツ万能、頭脳明晰、
何においても智より優れている和也は
恋愛に関しても見事に自分の道を
迷うことなく選択していった。

一番大事なものを守るために
大野の家と闘うと決めた。

その勇気も、潔さも智にはない。

「カズと潤には侑李を守るって大前提がある。
世間を欺くためには何でもやるよ、
あの二人はね……。

それに、誰かに何か言われても
『ホモなんて気色悪いって』
笑って言ってのけるくらいの
根性があるんだよ。」

「俺には根性がないってこと?」

「お前は…ウソが苦手だろ?
気がついてないかも知れないけど…
翔は、ヘタレですぐにボロが出るんだよ。

だから、同棲なんかしたら絶対にバレるって…」


「……………」

奇妙な沈黙が

しばし部屋を包み込んでいた。



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