第2章 足並みの乱れ
将来有望でも、
可能性のかたまりでも
女にモテまくっても
そのすべてを踏みにじってもいい。
貪るようなに
翔が欲しいーーー!!!
お前と2人閉ざされた部屋の中で
おとぎ話のような夢を
見ていたい…
その後…
翔から葉月の話を聞いた。
あの女はソープ嬢のバイトをしていて
サッカー部の先輩とかに
誘われて、断れなくていったらしい。
先輩の顔を立てて
一応やることはやったけど
本番はしていなかったそうだ……。
(それに、咥えられても
何されても……
智の方が百倍もイイ……)
なんて、真顔で言われて……
やっぱり信じきれなかったのは
俺の方だった……
翔がいい男であればあるほど
俺は惨めで……
嫉妬して
疑心暗鬼に駆られて
絶対にそんなことないって
わかってるのに…
無体な文句ばかり言いたくなる……
そんな俺を翔は、
心配してくれたんだと思う。
だから……
「智…あのさ…
俺家を出で大学の近くに
部屋を借りようと思うんだ…」
「え……?」
「智は今より通勤が大変になるけど
一緒にくらさないか?」
「翔…」
朝も、夜もいつも一緒に…
その時はホントに嬉しくて
これからの人生を共に
作っていこうと心から思ったんだ。
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確か、数ヶ月前に
そんな言葉で、
智に対する思いを伝えてくれような気がした。