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もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第2章 足並みの乱れ



「で……
智の方は今恋人がいるんだろ?」

「う…ん
いるには、いる‥けど…………。」

「け、ど‥?」

「年下でさー
大学でサッカーやってる‥。
将来はサッカー選手になるって
夢も希望もある18歳‥

まぁ…例によってノンケだから…
俺が足を引っ張ってるのかなぁーって‥」


「で‥また身を引こうとか考えてるんだ‥」

智は作り笑いをすると
「そんな健気なことしないよ‥

ダメなのは……

俺の方かなぁ…


ちょっと昔関係のあった女なんか
出てきちゃうと……
もう、切れそうになっちゃってーー


ーーホント、やんなっちゃう……
6つも年上なのに……
俺の方がよほどガキなんだよ。」

井ノ原は智から笑みが消え
悲痛な表情に変わっていくのを
黙って見ていた……。

そして、智の頭を優しく撫でてやると

「ガキでいいんじゃない……。」

「え?」

「物わかりのいい恋人なんて、
ウソくさいよ。

俺が、こんなこと言うのも
なんだけど……

智は俺が別れようって言った時
引き留めようとしなかった。」

「それは……


だってさぁ…
女を選ばれたら諦めるしかないじゃん…………」

「だからさー
智はそうやって、
いざって時のために
予防線を張ってたんだろ?

『今だけでいいって……』


でもさぁ、先のこと考えられないなら
その相手が、男でも、女でも長続きしないよ。

だから、俺達はあのまま付き合ってても
自然消滅してたと思うよ。」

そうだ。
俺は……

女相手じゃ
諦めるしかないって……
引き留めたこともなかった……
うっとうしがられるのが嫌だった……。

智の腕の中で
赤ん坊がキャッキャッと笑う
智は頬ずりをすると
温もりを感じた……。

「あっこいつ智が好みだなぁ……」



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