• テキストサイズ

もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第2章 足並みの乱れ



「はぁ~…

そりゃーさー
喧嘩したけど…

だからって!!
もう何日も連絡してこないってのは
どーゆーことだよ!!!」


智は家に居ても…
翔のことが頭から離れず…

だからといって
和也の家に行けば、
潤から冷たくあしらわれるのがイヤで、
買い物帰りフラフラと公園に
立ち寄った。


だから……
マジメな奴はイヤなんだよ…。
俺は年上なんだぞ…
こっちから頭を下げるなんて
できないのわかっているくせに…。


それとも……………

ホントに女に目移りしちゃったとか…。

『不安…。』
の文字が頭から落っこちてきては…
気分が沈んでいく。


「おい!智……」

急に後ろから聞きなれた声に呼ばれ
智は目を輝かせて振り向くと

そこには……
翔…ではなく、
井ノ原快彦がいた。

しかも……

「よっ!」
「イノッチ~っ!!!
なんだそのガキは~っ!?」

井ノ原は、智の元彼……

『智…
もう終わりにしよう…
俺結婚するんだ…』

そういって別れたのは
約二年前…

「あははは…
できちゃった結婚でした~」

そういって笑っている姿は
もう立派なお父さんだった。

「悪いなぁ~
実はお前と別れる前に
仕込んでたんだ……」

「おい~…
マジかよぉ…」

「ホントにゴメン!!!
だからこうして謝りにきたんじゃん…」

「クスクス……
まぁいいけどね。
どっちにしても、俺は子供を産んで
やれないもん。

イノッチの赤ちゃん抱いてる姿
スゲー似合ってよ。
いいお父ちゃんじゃん!」

不思議と素直にそう思えた……。
別れたばかりの頃は、
恨み辛みしかなかったはずなのに……。

「赤ちゃん抱かせてー」

「落とすなよ。」

井ノ原は智に赤ん坊を手渡す。

智はちっちゃいその子を
愛おしそうに抱き締めた。

「可愛い……」

そんな智を見て井ノ原は
優し気に微笑んだ。






/ 238ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp