第2章 足並みの乱れ
翔は智の服を手早く整えると
足早に去っていった。
その翔の歩く足音が、
智の耳の奥底に鳴り響いていった。
(あんたの望みどーりに……)
「……ソ……
ウソ……だよ……翔…
……ないで……いかないでぇーーーーー」
その頃……
買い物の帰り和也は
急に立ち止まり
胸に手を当てて天を仰ぐ
「あっ……智が泣いてる……」
その横で、心配そうに
和也の顔を見上げる侑李
「カズ?とーしたの?」
「侑李……ごめんね……。
ちょっと行ってくるね……」
「うん!!
僕、智さんも大好きだから、
カズがアンパンマンになって
助けてあげて…」
「アンパンマン…って……」