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もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第2章 足並みの乱れ



------その頃、酔い潰れた智を抱きかかえ
マンションまで帰ってきた。

「智さん……
ほら部屋についたよ。」
「ん~~~?」
「あのねー抱きついたらパジャマを
着せられないよ」

「んふふ……
でも、脱がせるのは得意だろ?」

「しょーがないなぁ…
智さんはホントに
酒グセ悪いんだよなぁ~…。

最初に逢った時もこうだった……。」

翔の唇がゆっくりと
智の肩口に近づいてくる。

「智さんが酔って倒れてるトコを
俺が拾ったんだ。」

ああそうだった……あの日も……

「前後不覚で危なっかしくて……」

そうか……もしも…
あの夜がなかったら……
翔との出逢いは…
無かったのかも知れない……
(でも、Hはしちゃったからぁ…)
あの女の言葉が頭の中でこだまする…

この躰は…
女を抱ける躰ーーー…!

「さ…触るなっ!」

瞬間ーー
パンっと……

智の平手が翔の頬に炸裂した。
翔は一瞬何が起きたか
理解できなかったのだろう。

茫然とした顔で智を見る。
「ど…どうせ酒グセ悪いよ…
あの晩、俺が酔って
お前を誘わなければ…
こんな関係にならずにすんだ……

そうすれば、今頃……
可愛い女と……
あの葉月あやとか言う
昔の女とよろしくやってたのに……」

自分で言っていても、
心のどこかで

(ウソだよな…
あれはあの女のホラ話だよな…)
と呟き、認めたくない自分がいるのに…

「……」

翔なんで何も答えてくれない…
長い沈黙の後…

「やっぱり…聞いたんだ…
でも、あれは智さんと
出逢う前のことなんだ。

今さらむし返す必要はないよ」

そっかぁ…
やっぱりホントだったんだ…

「で…出てけーっ!
女を抱いた汚い手で
俺に触るなーーーー!!!」

翔を跳ね除けると

智は、夢中で翔を
部屋から追い出したーーーーー。











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