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もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第9章 夢浮橋



「やっぱり、似てるんだね…」

「そうですか?もう、
俺の方がデカいんですよ。」

「ふふ…。でも、声なんかそっくりだよ」

「先生、兄弟は?」

「いるよ。兄が三人。
1人は年子なのに同じ学年だから、
よく双子と間違えられるぐらい、
そっくりなんだ……」

「へぇ……」

修は、しばし智の顔を見つめていたが
やがて、戸惑ったような笑みを浮かべた。

「大野先生のご家族は、先生と翔のことを
知っているんですか?

つまり……その、男同士で恋人のように
付き合っていることを………………」

「ハッキリ言ってくれても大丈夫だよ。
俺は、ゲイなんです。

家族も親戚も知っています。
あまり隠すことが得意じゃなくて……
だから、友人とかにもばれてるし……。」

「えっ……?」

と、修は、驚きの声を上げた。
当然の反応だと思う。
そんなこと、普通ならひた隠しにしたがる
ものだ。

「修君は、信じられないでしょう。
自分の兄貴に男の恋人がいたなんて……。」

「……う~ん、実はそれほど意外でも
なかったんです。

五十嵐学園のウワサは、
それなりに耳に入ってたし
翔が卒業式でやったことも聞いてるから……

あの時、翔が会場からさらったっていうのが
先生ですよね。」

智は、コクリと小さく頷いた。

「やっぱりね……。
まぁ…ちょっと前から雰囲気が変わってきてから
これは好きな人ができたなぁ~と
思っていたんだよ。
でも、そのわりにちっとも家には連れてこようと
しないから、妙だなって……。

だって兄貴が一番の家族想いだったし
恋人ができたら真っ先に自慢したくて
紹介すると思っていたから……」

「………………。」








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