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もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第9章 夢浮橋



翔を待って……

待って……

待って……

待ち続けて………………


不安に駆られ続けたこの四日間………………

翔は翔で
智を捜し求めていたのだった。


ただ、疑うことの知らない純粋な男だから
相葉の叔父と兄貴達にだまされて
しまっただけ……。

「……そんな…………」



どうして?


どうして翔のことを信じられなかったのか?

つまらない嫉妬や、
意地で凝り固まっていたから?


伊野尾に引き留められているだろう……とか
サッカーの方か大事なんだろうだとか……

そんなくだらない悩みばかり抱えていた
4日間…。

翔からの連絡も途絶え、
姿さえも現さなくなった時
妙だと思ったはずなのに……

それでも、翔が大野の家で足止めされてる
可能性など考えもしなかった。



智はいつも心変わりされることばかり
先に考えてしまう。

だって……
今までもそうだったから……
いつ、突然捨てられるかわからな
不安に怯えて生きて来たから…………

だから、ついにその時が来てしまったと
独りで覚悟を決めて
もう、何も信じられないと
耳を塞いで何も聞こうともしないで……
信じようとすらしなかったのだ。

「……俺は………………」

と、何かを言いかけて
智はキュウッと唇を噛んだ。




(もう……恋人として失格だーーー…!!)

雅紀に言ったら、
また、罵倒されるのかなぁ~…。





そうやって、翔の言葉も聞かず
勝手に落ち込んでしまった結果がこれなのに…………。

そう、また同じことを繰り返すわけには
いかないから……

だから、智はただ黙って拳を壁に叩きつけた。











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