• テキストサイズ

もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第8章 魅惑な美



「開き直るんだ…。
すごいなぁ~先にウチの屋敷に不法侵入して、
智さんをさらっていったのは
誰かなぁ?」

「……何……」

「脅しはこっちの十八番なんだよ。
他人の恋人を寝取ろうとした不埒な
ゲイ教師としてクビになるか、
お互い黙って穏便にすませるか?

バカなあなただって、
そのぐらい、どっちが自分の為になるか…
わかりますよねー。」

「……………」

武井は、ガックリとその場に座り込んだ。

「お…俺は、誘惑されただけだ……。
この魔女が…外に出たいって言ったんだ…。
誘ったのだって、こいつの方だー!!!」

だが、ようやく捻り出した武井の言い訳を
智は冷ややかな言葉で、蹴飛ばす。

「だれが魔女だって?
じゃお前はストーカーだな……
先にストーカー行為をしたのは、
お前だろう?」

「え……?」

「お前が送ってきた脅迫状、
ちゃんと取ってあるよ。
出るところに出て調べてもらおうか?」

そう言って、智はゆっくり視線を
デスクの方に向ける。
パソコンの横に置いてあるプリンターに……。


「そのプリンターで印刷したんだろ?
たぶんね……。」

「-----!?」

「俺をどうにかできるって本気に思って
たのなら甘すぎるよ……。」

「………な………」

そうして武井は、ようやく気がついたのだ。

本当に自分は道具でしかなかったのだと………。
智は最初から翔を試すためだけの為に
屋敷から姿を消したのだと…。

今、翔の腕の中に身を浸している智の全身から
溢れね幸福感が、それをしっかりと
物語っていた。

「俺は……ピエロか……?」
その程度の役割でしかなかった……。

ヨロヨロと立ち上がった武井はだったが…
次の瞬間……
カッと目の色を怒りの色に染めたーーーー。


/ 238ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp