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もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第7章 雲隠れ



「な……なんで俺が………」
「だって逢いたいんですよね?」

「べつにー…………
俺をほったらかしにしてるのは………
あいつなんだ………。

翔から謝ってくるのが
筋じゃないのかよ………。」

「もーそうやって意地を張っていると
どんどん話がこじれてホントに伊野尾君に
櫻井を取られちゃいますよ」

「うるさい………。

わかっているよ!
そんなことお前に言われなくつたって………。
こっちだって、それなりに恋愛経験は
豊富なんだから………。」

わざわざ言われなくたって、智だって
それぐらいのことは解っているつもりだ。

恋の終わりなんて、
意外とあっけないものなのだと
言うことも………。

後から考えれば、
『何であんなことで…』と、
思うような些細な擦れ違いが大きな亀裂に
なってすべてをダメにしてしまうこと
だってある。

そんなことはイヤってほどわかっている
からこそよけいに逢うのが怖い。

最終宣告を聞きたくない。
耳を塞いで、目をぎゅっとつむって………。
最悪なことは見ない訊かない考えない………。

だから………

「俺は絶対に嫌だ!!

た、だいたい、と‥どうして年上の俺が…
先に謝らなきゃならないんだよ?」

もう、こうなると自分を支えているのは
意地だけだった。

「大野先生は年上だから、余裕をみせるってのも
いいと思いますよ。」

「お前、邪魔したいの?それとも、
応援したいの?」

「えっ?いやーなんか、理解あるところを
みせれば俺の株が上がるかなぁ~って
思って………。」

「ふふ…そんなの全然あがんないよー。
俺、説教されると、拗ねる
タイプだから………。」

「………え…?」
「お前、早く帰れ!!」

「そ……そんなぁ~…」






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