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もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第6章 姑息な悪だくみ



ボソリと、飛び出した弱気な一言
とうしてこんなに自信がないのか?
勝久は常日頃から疑問に思っていた。

智は、こんなに可愛いさを持っていながらも
過去の恋だって、いつも最初から別れを
意識しながら付き合っていた。

でも、今まではこんなにウジウジと
考えたりもせずに

『せめて今だけは幸せでいよう』と
日々楽しく生きることだけ考えていた。

あのお気楽な感情はどこへいって
しまったのだろう。

翔相手だと、どうしてこうもメソメソと
彼との将来のことばかり考え、
心配になってしまうのだろう………。

誰にも翔を渡したくない………。

そう思いながらも、自分が彼の足枷になって
彼の人生をダメにしてしまうんじゃないか?
そんなことを考えると
苦しくて苦しくてしかたがない。

「もう、あいつを俺から解放してやった方が
いいのかなぁ………。」

夢に向かって必死に追い求めている大きな翼を
自分の身勝手で引き裂いてしまう前に………。

「相手のために身を引くなんて
そんな犠牲的精神は持ってはダメだよ。

智は価値のある人間なのだから
追いかけさせればいいだよ。」

「でも………、もう翔の方が呆れて俺の顔なんて
二度と見たくないって思っているかも知れない。

俺は、ホント捨てられて当然なぐらい
酷いことを言ったんだから………」

「大丈夫!奴は必ず謝ってくるよ」
「そうかなぁ………。」
「当たり前だ。こんなに可愛い智を、
そうそう手放す奴はいない。

あいつもそんな簡単には諦める男じゃ
ないだろう。」

「でも、今まで4回も同じように
フラれたんだよ」

「翔君は違うよ。

必ず来る!!!」





「でも、もしも来なかったら?」

と、智は、再び溢れ出そうとした涙を
隠そうとする。


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