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もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第6章 姑息な悪だくみ



ここには、何の用もない……

それよりも大切な場所がある。

そうだ……!
こんなバカげたことの為に、
自分は大切な宝物である
智をどこかへ置いてきてしまった。

まさか、サッカー部の仲間が、
マネージャーがキャプテンが、
自分を騙してまでも智との仲を
引き裂こうとするなんて考えてもいなかった。

まさか、こんなふうに手を組んで
邪魔立てをしてくるなんて……。

想像もしていなかった………………。
本当にバカだった……


何もわかっていなかったのは自分だった……。

同性愛者に向けられる世間の冷ややかな目を……
冷淡な仕打ちを……

わかっているつもりでいて、
何にもわかっていなかったんだ………………。

(智……本当にゴメン……。
今ならどんな仕打ちでも受けるから……

俺を許してくれ……)

甘えていたんだ。
7っ年上の恋人に…

同性愛者として人生経験が豊かで、
多くの修羅場をくぐってきた人に……

すべての悩乱をおしつけて
自分はやりたいように、学生生活を……
サッカーを楽しんでいた。

耳元で『愛している』と、
囁いていれば…
深い愛情さえあれば大丈夫だと……

どんな障害も、二人の気持ちが変わらなければ、
強い絆があれば、
乗り越えられない壁はないだろうと。

だけど、謂れのない攻撃は、
周囲から一身の期待を浴びている自分を
軽く飛び越えて、ゲイであることを
自認している智に向かっていくことを
予測だってできたはずなのに……
いや、していたのかも知れない。

すべては、自分の甘さが招いたこと……

『教師が未成年者のお前に
猥褻行為をしたってだけで、世間一般から見れば
俺は犯罪者と同じなんだよ』

いつか聞いた、智の声が蘇る。

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