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もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第6章 姑息な悪だくみ



仲間をだますような人間は、
もうそれだけで友人である資格すら
きれいさっぱり消え失せるのだと……

翔は、そんな人間を、決して信用しないのだと。

決別の視線を、勝手に幼馴染みを名乗っていた
男に投げかけると、足早に退室しようとした。

その肩を、岡田は必死に引き留める。

「確かに、伊野尾のやり方は間違っていたと
思う。だけど、俺も、男との恋愛は
お前のためにならないと思う。

あの人がいい人かどうかが問題じゃないんだ。
お前の今までの努力が、
そんなスキャンダルのために
潰されるのは俺は黙ってみていはいられない!!!」

「俺のプライベートに、
あなたは何の関係もないでしょう!!」

ゆるりと振り返った翔の目に、
岡田は息を呑んだ。
この男にこんな面があったのかと思うほどの
暗影の陰りが見えた。

岡田は、まるでドライアイスに
触れてしまったかのように、
とっさに肩に置いた手を放した。

「あなたは、勘違いをしている。
俺は努力家なんかじゃない。

ただの執念深いだけの男なんだ。」

「……翔……?」

「それに……
たぶんあなたたちが思っているより
ずっと心が狭いんだ。

自分にとって、
どうでもいいと思った相手には
興味も持てない……。

まぁ…社会人として、
そこそこ親切にはできるけど…

ひとまず許さないと決めれば
それを覆すことは絶対にない。

だから結論を言うと、そんな相手なんか
絶対に許すことはないってことだ!!!!。」

「………………」

ゴクリと息を呑んだ岡田の前を
もう何の興味もないかのように
翔は足早に通り過ぎていった。

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