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もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第6章 姑息な悪だくみ



どうせ、いつものだろう。
智の伊野尾に向ける忌避感は、
ただの独占欲だと思い込んでいた。

友人やサッカー部の仲間と一緒にいるだけで
『いいですよ~。どうせ俺は年上のお爺ちゃん
だから若者といっしょにいる方が
たのしいんだろ……』

と、唇を尖らせてすぐに拗ねる人だから………。
今回も、そんな可愛い嫉妬の一つだと思って
しまったのが間違えだった………………。


(俺は…大マヌケだ……!
やっぱりヘタレだったんだ………………!!!)

黙り込んでいる翔に、伊野尾はまだ自分にも
可能性があるのかも…と、
勘違いをし、つけ込む隙があると思ったのか
慌てて言い訳を言う。

「ごめん…。もっと早く自分の気持ちを
言えばよかった…。

そうすれば、ウソなんかつかなくて
済んだのにね。

それに、あの先生…俺にひどいことをたくさん
言ったのはホントなんだよ……。」

「勘違いも甚だしい……

智がひどいことを言っただって?
それがどうしたんだよ……?」


「…え……?」
「お前は俺をだました。
そりゃあ、世間にはついていいウソだって
山ほどある。
だけど、智をキズつけるヤツを許してやるほど
俺はお人好しでも、
優しい人間でもないんだよ!!!!」

「……あ……」

それは、幼馴染みとかサッカー部の
マネージャーなんて立場で、
翔に対しする好意の感情を誤魔化して
正当化しようとしていた伊野尾にとっての
最終宣告だった。

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