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もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第6章 姑息な悪だくみ



「だから……つまり…伊野尾が…
お前の将来を考えるなら、
あの男と別れさせた方がいいんじゃないかって
相談されて…」

「あの男って?」

「だから……あの、大野智とかぁ…」
「呼び捨てにするなっ!!!!!!」

突然の恫喝に、岡田は、ハッと翔の目を見た。
それは、真っ直ぐにゴールに射抜く時の
男の目だった。

「大野さん…に逢わせたらダメだって……」

岡田は、時々練習を見に来ていた大野智を
思い浮かべていた。

妙にキレイで可愛い男だった。
それでも、男同士の恋など……
まだ、高校生気分が抜けきらない翔が
疑似恋愛を引きずっているだけだと思っていた。

逢わずにいれば、すぐに忘れるだろう……
何せ、翔の周りには、それこそ一人ぐらいこっち
回せよ…と、思うほど可愛い女の子達が
溢れているのだから……

それは当然の慣わしなのだ。



でも、翔は違った………………

大野智こそが、この男の本気の相手なのだ
翔か心から守りたいと思う唯一無二の
相手なのだ。




「すまん!!!

俺が間違っていた。
伊野尾が、あまりにお前の将来を
心配していたから……」
「伊野尾が、そう言ったんですね。」

念を押すと、翔は伊野尾の方を向いた。
その視線の鋭さに、伊野尾はビクっと
身体を震わせた。

これが本当に自分の知っている翔なのかと…

伊野尾の心の中にいる翔は、
優しくて、いつでも温かい手を
差し伸べてくれる。
多少の失敗にも、
はにかんだ笑顔を見せながらも、
大きな手で頭を撫ででくれる
そんな男だった………………。

「だっ…て…お…俺…、
翔のためを思ってーーー…」

「そのことは、今はどうでもいいんだ。

それより、身体の弱いってのは本当なのか?」

「…そ…それは……」






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