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【イケメン戦国】永遠の始まり~満ちて果てて~

第13章 魔王の平生 ~中編~誕生記念 【織田信長】




「信長様、お入りになります。」

入口で控えていた光秀が中に向かって声をかける。


なぜか…口元に笑みをたたえて。






謁見の間に入ると、そこにいたのは…



「莉乃!?」


まるで町娘のような簡素な着物を着た莉乃が下座に座っていた。

その後ろには秀吉、家康、政宗、三成までも。
その輪に光秀も加わる。




「信長様、お誕生日おめでとうございます!」


そういって可憐な笑顔を見せる莉乃。



「貴様、何をしておる。大名はどうした?」


「実は・・・謁見を願い出たのは私です」


「は?」



「信長様がお忙しいのは承知しておりますが、誕生日にお渡ししたいものがありまして…

大名からの謁見願い、という名目にして時間を取っていただいたのです。」



そう言うと、莉乃は秀吉をちらりと見やる。


目尻を下げ、何やら満足げの秀吉。





「貴様、謀(たばか)ったな?」



冷たい目で秀吉を一瞥したが、口元の笑みは隠しきれなかった。




「信長様、こちら誕生日のプレゼント、あ、贈り物です。」



渡されたのは…



町民が日常的に着ている簡素な男物の着物だった。




「どういうことだ?」


一国の主たる俺がこのような仕立ての着物は着たことがなかった。




三成が説明に割って入る。



「信長様、今から信長様には『お忍びで』莉乃様と逢瀬に行っていただきます。

いつもの信長様ですとお忍びどころか城下が騒がしくなって人目を引いてしまいますので…

このような着物をご用意させていただきました。

もちろん、仕立てられたのは莉乃様です。


今日はいち町人として、城下と逢瀬をご堪能ください」



皆がにこにことしている。



いち町人として、か…




「悪くない提案だ。 逢瀬の相手が莉乃だというのなら尚更。

良かろう、これを着て城下へ行く事にする。 
莉乃、着替えを手伝え」



「はい、信長様!」



莉乃がパタパタと駆けてくる。





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