第8章 淡藤の深謀 ~後編~ 【石田三成】R18
一気に話をしてしまった。
黙って聞いてくださっていた莉乃様は今、目をまん丸にして固まっている。
「ちょっとまってね、『情事の指南』ってつまりは…」
「はい、褥での男子の所作をご教授願いたいのです。」
「そ、そ、そ、それは 政宗とか経験豊富そうな男性に聞いたほうが良いんじゃ…??」
「いえ、男性側のではなく、女性側のご意見を伺いたいのです。」
「………」
「後生です、わたくしに何卒!ご指南いただけませんか??」
莉乃様はこれ以上ないという位に、顔を真っ赤にしている。
「あの…指南できるほどの経験を、私もそんなにないの…」
「経験の豊富さではなく、女性の体の仕組みや快感を得る方法など教えていただきたいのです。
お慕いしている方を…その…満足させて差し上げるために。」
「あ、あ、あ、そ、そ、そういう事なのね……」
手持ち無沙汰なのか…
着物の袖を引っ張ったり耳に髪をかけたり・・・莉乃様の手はせわしなく動いている。
「莉乃様??」
「わ、分かった。
三成くんは、その方と素敵な思い出を作りたいんだよね?
私にきょ、協力できる事がそれしかないのなら…」
「同意を得た、と受け止めてよろしいのでしょうか?」
「う、うん・・・・」
「ありがとうございます、莉乃様! では早速」
莉乃様の両肩をガシっとつかみ、口付ける。
勢いよく向かったため、口付け、というよりはぶつかった、という方が正しいかも知れない。
「ちょ、っとまって!」
莉乃様の手のひらが、私の口の前に立てられる。
「そ、そんな急に強い口付けしちゃだめだよ。」
「あ、も、申し訳ございません! なにぶん、慣れていないゆえ・・・
莉乃様、お手本を見せていただけませんか?」