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【イケメン戦国】永遠の始まり~満ちて果てて~

第38章 水色桔梗 ~2020誕生記念~ 【明智光秀】




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(思ったより寒かったな。)

これ以上身体が冷えたら風邪をひいてしまう。
それなのになぜか、広間に戻る気持ちにはならなかった。

今日という日が、私に元いた世界の事を思い出させてしまうのかもしれない。


私は自分を抱きしめるようにしてぎゅっと縮こまりながら、中庭へと続く縁側に座り、ただぼんやりと池を眺めていた。




その時、背中からふわりと暖かい何かが羽織られる感覚がする。
これは、、、光秀さんの?




光秀 「何をしてるかと思えばこんなところで。戻るぞ」


「光秀さん!? 探しに来てくれたんですか!
・・・でもまだ、私もう少しここにいたいです。
光秀さんは先に戻っていて下さい」



私の顔を見た光秀さんは、ため息をついた。


光秀 「ふぅ、仕方ない。
たまにはバカ娘に付き合ってやるか」


からかうように笑うと、私の横にそっと腰を下ろす。



深夜の外気はキンと冷え、確実に冬へと向かっているのが分かる。
座ったお尻から、冷たさが上がってきていた。
池には月がぼんやりと映っていて、時々流れてくる雲がそれを消してしまう。



「では半分こにしましょう、光秀さんも冷えてしまいますから」


光秀さんがかけてくれた羽織を、二人で分けるようにかけ直した。
そうするためには、身体をもっと密着させなければならない。
だけれどもお酒で気が緩んだ私には、そんなことは気にならなかった。
もしかしたら今だけは、人の温もりに少し甘えたかったのかもしれない。



光秀さんと密着している部分から暖かさが伝わってくる。



光秀 「ほう、今夜はやけに積極的だな。
まさかこんな所でお前に迫られるとは」


「迫ってません。 
でも・・・少しだけ、こうしていてもいいですか?」


光秀 「いつまででも構わないぞ。
お前で暖がとれるからな。肉付きがいいとやはり暖かいな。」



「もう、また意地悪言う!
光秀さんも暖かいですよ、肉付きは少ないようですが。」


私たちはお互いの熱を与え合いながらいつもの調子で笑っていた。
次の光秀さんの言葉を聞くまでは。



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