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【イケメン戦国】永遠の始まり~満ちて果てて~

第38章 水色桔梗 ~2020誕生記念~ 【明智光秀】



家康、秀吉さん、そして政宗。
それぞれが気遣いをしてくれていることは一目瞭然だった。
皆さんの気持ちが暖かく、嬉しい。



三成 「莉乃様!!」

三成君らしくない突然の大きな声にびくりとする。
声の大きさとは裏腹に、その瞳の奥には悲しさともさみしさとも言えない感情が宿っていた。


三成 「そうやって・・・笑わないで下さい。
先の世は、こちらと全く違うのでしょう? 生活習慣も食べ物も、言葉ですら。
わたくしは、、、秀吉様に見いだしていただき地元を離れる時、嬉しい反面心細かった。
大した距離は離れていないのに、憧れの織田軍へ引き立てていただいたのに、です。
想う方と引き裂かれ、ご自分の意思ではなく時を超えた莉乃様のお気持ちはそれ以上、わたくしなどが想像することすらおこがましい。
ですから・・・
お願いですから・・・もっと、頼って下さい。 
無理をして、笑わないで下さい。
それに・・・あのように思っているのは、政宗様だけではありませんよ。」



その熱のこもった言葉と瞳に目が離せず、いつの間にか片手が握られていた事に気がつかなかった。
三成君は、いつもの三成君ではなくて。男の人の、強い目をしていた。


私の手を握る三成君の手に、反対側の手を重ねる。
三成君の暖かさを包み込むようにしながら、答えた。


「ありがとう。
でもね、無理はしてないよ。
ここは私のいた世とは全然違うけど、好きな針子の仕事をして、みなさんのお手伝いができて幸せだよ。
私はひとりぼっちじゃない。みんながいるし、それになんでも教えてくれる三成君もいるしね」


安心させるように、にこりと笑う。
その顔を見て、三成君の手がそっと離れた。


三成 「そう、ですか。莉乃様はお強い方ですね。
わたくしは益々、、、あ!いえ、すみません。
ではこれで失礼いたしますね。お茶、ごちそうさまでした」


礼儀正しく一礼をすると、三成君はいつもの笑顔で私の部屋から出て行った。


「益々、なんだったんだろう?」



__三成もまた家康と同じように飲み込んだその言葉は、この先莉乃の耳に届くことはなかった。


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