第36章 純白の羨望 【伊達政宗】R18
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家康 「そろそろ莉乃を休ませたいんで、帰ってもらえますか。」
秀吉 「あぁ、そうだな。
莉乃、元気になったら遠乗りに行こうな。」
光秀 「莉乃、回復したらまたいじめてやるから、楽しみにしておけ」
家康 「しばらくの間は、遠乗りも意地悪も禁止です。
いや、意地悪は「ずっと」禁止なんで。」
光秀 「ん?なぜお前が「ずっと」禁止できる立場なんだ。」
家康 「お見舞い、お疲れ様でしたー」
家康が二人を送り出した。
家康 「まったく、光秀さんは・・・
夕餉の時間まで寝てなよ。また、様子見に来るから」
そう言うと家康も部屋を出て行った。
きっと皆さん、とても心配してくれたのだろう。家康なんて目の周りにクマができてたし・・・
早く治して、元気な姿を見せなくちゃ。
飲み込んだ毒のせいで喉が炎症を起こし、今は話せないと家康が言ってた。
話せないのは不便だし、毒を盛られた理由も知りたい。犯人は誰?
だけど今は、落ちてくる瞼に逆らえなかった。
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ふわりといい匂いが鼻をくすぐり、ここ数日食べていなかった空腹を知らせてくる。
ゆっくり目を開けると、厳しい顔をした家康とその隣には心配顔の政宗がいた。
家康 「莉乃、夕餉の粥。
そろそろ、少しづつでも食べた方がいい。
政宗さんが作ったんだって。
さすがに、これには毒は入ってないと思うから。
政宗さん、あとは俺がやるんで。
もう出て行ってもらえますか」
家康は政宗の方を一切見ずにそう告げる。
嫌味も盛り込んで。
政宗 「家康・・・お前が怒る気持ちはよく分かる。
だが、少しだけでいい、莉乃と話をさせてもらえないか。
俺からも、きちんと話して謝りたい」
盛大にため息をつく家康。
家康 「・・・だって。莉乃、いい?」
私はこくりと頷いた。
家康 「じゃ、少しだけですよ。病み上がりなんで。
一つ言っときますけど、「怒る」なんて生やさしい感情じゃないですから。」
そう言うと家康は部屋から出て行く。
私は家康が渡してくれた白湯を飲みながら、政宗の口が開くのを待った。