第36章 純白の羨望 【伊達政宗】R18
家康 「やめてください、辛気くさいこと言うの。
生きてるんで。」
光秀 「あれから5日か。莉乃、よく戻ったな。
お前がいないと、からかう相手がいなくてつまらん。
秀吉、少し寝ろ。家康、お前もだ。二人とも莉乃より顔色が悪いぞ」
秀吉 「それを言うならお前もだろ。そういえば三成はどうした?」
光秀 「城の書庫にこもりきりだ。あいつも飲まず食わずで。
もう調べる必要は無いと知らせてやれ。」
秀吉 「そうだな」
家康 「・・・さっき、政宗さんが来ましたよ。部屋には入れてませんが」
秀吉 「・・・・・・」
光秀 「まぁ、あいつには良い薬になっただろう。
莉乃には毒だったが」
秀吉 「お前の冗談は笑えねえんだよ」
光秀さんがじっと私を見ている。
光秀 「何が起きたか分からない、という顔だな。
お前は毒を盛られたのだ、あの茶屋で。
安心しろ、首謀者は捕まえて牢屋に入れてある」
3人が、私が意識を失った後のことを代わる代わる話してくれた。
茶屋で私に害をなそうとした者がいたこと。
それに気付いた皆さんが城に帰そうとしたものの、最後に飲んだお茶に毒が仕込まれていたこと。
その毒は即効性だったため、全ての毒が身体に吸収される前に吐き出す必要があったらしい。
城に戻った私は、家康が処方した強烈な嘔吐を催す薬を投与され、ひたすら吐かされた、ということだった。
・・・覚えてなくて良かった。
秀吉 「それが辛そうで・・・見てられなかった」
家康 「ああでもしないと死んでましたよ、莉乃。
ただ、身体に吸収された毒の程度が分からなかったので、もしかしたら意識や身体の末端に支障が出るかもと思ってましたけど・・・
この様子だと大丈夫そうですね。」
その言葉に安心したようにうなずく秀吉さん。
毒の作用、そして嘔吐からの脱水などもあり、この5日、意識を無くして寝ていた。
そして今に至ると家康が説明してくれる。