第36章 純白の羨望 【伊達政宗】R18
「この並んで待つ時間も含めて、食べる楽しみだよ!
まだかな~まだかな~、何注文しようかな~♡って気持ちと時間が余計にスイーツを美味しくさせるの」
何かに恋い焦がれるような、恍惚とした表情で甘味を熱く語る莉乃に・・・
___織田軍武将、全員瞬殺。
政宗 「はっ!ほんっと可愛いな、莉乃は。」
光秀 「くっっ、お前を見ていると飽きないな。
甘味一つでこんな顔をするとは」
三成 「莉乃様、毎日でもお供したい気持ちです」
家康 「お前はいい、三成。
行きたい時は…俺が連れて行ってもいいけど。」
秀吉 「莉乃毎日はだめだぞ、毎日は。
でも行くなら俺が連れて行くからな」
店の中では、客たちが飲み込むようにして甘味を食している。
外に織田軍屈指の武将たちを待たせているなど、食べた気がしないだろうに。
俺たちは莉乃をからかいながら、待つ、ことを楽しんでいた。
なかなかいいな、こんな時間も。
こいつに出会ってから、俺たちは変わったかもしれねぇな。
少なくとも、俺は・・・・・・
先ほどの長屋での事を慌てて頭から追い出し、
わくわく顔の莉乃の笑顔を堪能していた。
___その様子を、店内の奥にある調理場からひっそり見ていた一人の女。
(へぇ、あれが政宗が惚れてる姫さんか。
こんなに早く機会が訪れるとはね。
神様はあたしの味方だって証明だ。)
先ほど別れを決めたはずの、愛しい男。
すぐに再会、しかも、自らあたしの所にやってくるなんて。
これが俗に言う「運命」ってやつなんだろ?
別れられるはずなんてないのさ。
首元の赤い跡にそっと手をやる。
ふうん、周りを取り囲む武将さまたちまで、
姫さんに首ったけか。
益々、気に入らない。
そもそも、信長様の寵姫って話じゃないか。
それなのに、政宗だけでなく他の武将までたらしこむなんて。
___あたしが化けの皮、引っぺがしてやる。
待ってて、政宗。
今、正気に戻してあげるからね。