第35章 千歳の誓約 前編 【織田信長】R18
家康 「あーあ、これじゃもう気づいてないふりはできませんね」
光秀 「ふりをして・・・どうするつもりだったのだ?」
家康 「べ、別にどうもしませんけど」
政宗 「まぁ俺はいつでもかっさらう気でいるけどな。」
自信ありげに微笑む政宗。
光秀 「・・・表舞台で両手を血染めにしてる信長様だ。
少しくらい、ご自身の幸せに目を向けられても良い頃合いだろう。
せいぜい莉乃に癒やしてもらい、天下統一まで走り続けていただかねば」
家康 「まぁ確かに、莉乃のんきな顔を見てたら、考えたり悩んだりするのが馬鹿らしくなりますからね。」
秀吉 「そうか・・・
信長様と莉乃が・・・
莉乃が・・・莉乃が・・・」
政宗 「秀吉・・・
お前、信長様の様子に気づけなかったのと、莉乃が取られちまったのと。
どっちに傷心してんだ?」
秀吉 「両、いや、そ、それはだな・・・」
三成 「ふふっ、皆様、莉乃様のことをお慕いしているのですね。」
信長と莉乃のいなくなった席に目をやりつつ、武将たちはまた飲み直し始めた。
それぞれが少し、ほろ苦い気持ちを抱えて。