第35章 千歳の誓約 前編 【織田信長】R18
光秀 「なんて顔をしているんだ、バカ娘」
「はい??」
光秀 「無自覚か・・・」
笑う莉乃とは対照的に、武将たちの顔から一斉に表情が消える。
まるで能面のように。
それは・・・・・・
相手や周りに考えを知られたくない時の武将特有の戦術だった。
それぞれが、それぞれの頭の中で自分の隣に立つ莉乃の白無垢姿を・・・
そして子を・・・
特に、それに至る行為を・・・
想像してしまっていたから。
家康 「そ、そういうことなら、食事より薬の方がいいでしょ。
俺が調合、してあげてもいいけど・・・」
秀吉 「なんでお前が顔赤くしてるんだ、家康。
変な事を想像するのはやめなさい。」
政宗 「変な事ってなんだ、
お前も真っ先に想像してるじゃねーか」
三成 「莉乃様、それは良いご提案ですね!
私も、3人欲しいです!」
三成だけはいつもの笑顔で、思ったままを発言している。
家康 「三成お前さ・・・帰れ」
__莉乃が元々、政宗に聞きたかったこと・・・
親しい針子仲間が子供を欲しがっていた。
だが、ご主人が毎日疲れ気味であまり乗り気ではないらしい。
思い悩んでいた彼女の話を聞き、莉乃は気を養うため、食事面での助言を政宗にもらおうとしていたのだった。
しかし酔っていたため順を追って説明できず、
さらに秀吉に聞かれた質問に素直に答えてしまい・・・
まるで莉乃自身が子供を欲しがっているような
話の筋になってしまっていた。
莉乃は掛け違った状況を把握できぬまま、さらに思いの丈を話してしまう。