第34章 情愛の行方【イケ戦5周年記念】石田三成編
一瞬で静まった広間。
そして信長の低い声が三成に告げる。
信長 「三成。
莉乃はお前との縁談話を『無かったことに』と申しておるが。
本当にいいのだな?」
三成 「・・・?? 莉乃様と私の縁談・・・ですか?」
今初めて聞きましたという驚いた顔をして、目と口が開いている三成。
家康 「三成、お前・・・
今までの話、聞いてなかったのかよ」
三成 「申し訳ございません、聞いておりませんでした・・・
私の縁談のお相手は莉乃様だったのですね?」
三成が信長から莉乃へと視線を移すと、莉乃はこくりと頷いた。
秀吉 「みーつーなーりーー!お前なぁ・・・!!」
政宗 「天然もたいがいにしろ。
ったく、莉乃と縁談なんてまたとない機会だったのによ。」
政宗の目が鋭く三成を射る。
光秀 「お前が有能なのは戦場だけか。
戦術以外にも気を回せ。」
「光秀さん!そんなこと言わないで下さい!
三成君はちょっと、ぼーっとしちゃうときもありますけど・・・
でも賢くて優しくて素敵な人です!」
三成 「莉乃様・・・
かばい立ていただきありがとうございます。」
光秀 「おやおや、それはすまなかった」
家康 「ぷっ、光秀さんが叱られてる・・・」
政宗 「早速、力関係が見えたな」
信長 「どうなんだ、三成。」
三成 「は、はい! 是非とも、縁談の話を進めて下さい!
こんなことってあるのですね。
ああ、神様は酷なことなんてしてなかった・・・」
家康 「神様とか言い出してる・・・」
秀吉 「よっぽどだったんだろうな・・・」
「三成君・・・好きな子がいたんじゃ・・・」