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【イケメン戦国】永遠の始まり~満ちて果てて~

第34章 情愛の行方【イケ戦5周年記念】石田三成編





秀吉 「三成・・・そんな顔するな。
美人かもしれないぞ?

お前・・・もしかして好いてる女がいるのか?」



三成の表情を見れば、この縁談が意にそぐわないものだと分かる。
それに、慕う女がいそうだとも。


いつもは穏やかでにこやかに対応する三成が下を向き、何も答えない。



こいつはまだ若い。
これからもっと経験を積み、武功を挙げ、それから嫁をとっても遅くはない。


信長様はよく分かっているはず。

だからこそ、なぜ三成にこの縁談を組んだのか疑問だった。

いくら相手の姫の希望とは言え、断る理由はいくらでも作れたはずだ。



秀吉 「その姫が正室になっても・・・
好いた女を側室で取ればいい。な?」



そう簡単にいくものではないが、少しでも三成の気を軽くしてやりたくてそう言った。



何も言葉を返してこない三成。
重い空気が部屋に流れ、それ以上言葉をかけることがためらわれる。



その時、女中が莉乃の来訪を告げた。


びくりとして顔を上げた三成の表情は、何かを決意したようだった。


三成 「莉乃様が?お通しして下さい」



部屋に通された莉乃と三成の表情を見て、分かった。

そっか・・・
三成が惚れてるのは、莉乃か。

そして、莉乃が惚れてるのは・・・三成。



普段は冷静沈着で気持ちの奥底など晒さない三成に現れた、この表情。


縁談話に相当、動揺したのだろう、
己の感情が漏れ出てしまうほどに。




「秀吉さん、来てたんだね。」


いつものようににこやかな莉乃だが、その瞳には見たことのない強い何かが宿っていた。


秀吉 「あぁ、ちょっと用事でな。
でももう済んだから俺は城に戻る。

まぁ、二人で・・・よく話せ。」



俺は一体何を言ってるんだ。
何を話すんだ?
お互い好き合っているのに、三成に縁談が来たと?


上手いことを言ってやれない自分に腹が立つ。



慰めることも励ますことも出来ないこの状況に、俺は三成の肩を優しくポンポンと叩き、御殿を後にした。





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