第34章 情愛の行方【イケ戦5周年記念】石田三成編
光秀「しかし、三成とはな。」
二人は年も近い。
莉乃は世話係の仕事の一つとして、身の回りの世話をしてやっている三成と接する時間が多かったからか。
軍議の度に跳ねた髪を直してやったり、食事を取り忘れてしまう三成の世話をかいがいしく焼いている莉乃の姿を思い出した。
三成と聞いて若干気が揺らいだ。
いや、三成だけでなく・・・誰の名前でもきっと同じ気になっただろう。
だがその感情にはすぐさま蓋をする。
政宗のように・・・己の欲に忠実に生きているのが羨ましいと思う気持ちにも。
俺は・・・こうして時々莉乃をかまえれば満足だ。
そう自分に言い聞かせた。
政宗 「で、三成には伝えたのか?」
「伝えるなんてまだそんな!それに・・・
今と変わらず、お世話させてもらえるだけでもいいと思ってるから・・・」
首を横に振り、話しながら照れている莉乃の愛らしさに意地悪してやりたくなる。
が、ここは色々と探りを入れている政宗に話の主導権を渡すことにして、俺はその様子を横からじっと聞いていた。
他人の恋路に興味は無いが、莉乃の事となれば話は別だ。
政宗 「一体どこに惚れたんだ?三成の」
「三成君は・・・真面目で優しくて、誠実だから。」
政宗 「それを言うなら、俺たち織田軍の武将全員がそうだろ。
それならやっぱり俺にしとけって。」
「・・・政宗が一番、三成君と逆のところにいる印象なんだけど・・・」
ボソっと小声でつぶやく莉乃。
政宗 「しっかし、お前たちならいつまでも進展しそうにねぇな、
俺らが一肌脱いでやるよ! なぁ光秀!」
突然、ガシっと肩を組まれた。
莉乃の顔には「嫌な予感がする」と書いてある。
光秀 「何を企んでる、政宗」