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【イケメン戦国】永遠の始まり~満ちて果てて~

第33章 情愛の行方【イケ戦5周年記念】徳川家康編




家康 「ふぅん、『黙ってる駄賃』ね。
本気で拒んでないところを見ると、莉乃もまんざらじゃなかったんじゃないの」




「ちがうっ! あれは・・・・・・

家康には・・・
逢瀬する恋仲がいるんだから、そんなこと聞く必要無いでしょ」



冷静に返すつもりが、つい冷たい声が出てしまった。



家康 「はぁ・・・あんたね・・・
あれは、仕事。
信長様に謁見してる間、その大名の娘を城下に案内してただけ。
あの子は恋仲なんかじゃない。」



「え・・・!?そうなの!?」



その言葉が耳から身体へとじんわり染み渡っていく。
なぜか膝から力が抜けてしまい、へなへなと廊下に座り込んでしまった。



家康 「莉乃?」




あの晩、泣いた。たくさん。
家康に彼女がいるんだと思って。
報われない恋心を抱えてこの数日辛かったことが思い出され、自然と涙が溢れ出てきてしまう。




家康 「なんで急に座り込んで泣いてんの、どっか痛いの?」



私を見て急に医者の顔になる家康。


袖から手ぬぐいを出して、流れ出る涙をそっと押さえてくれた。
冷静な口調は変わらないのに、その拭う手は暖かい。



「どっ、こも、痛く、なっい」


しゃくりあげる声が余計に、この情けない姿を助長させる。
かっこ悪いな、私・・・




「とにかく部屋へ」と促す家康に腕を引かれ、自室へと戻ってきた。




家康 「さっきの催眠術で変な影響あったんじゃないだろうね。
まったく、猫にされるなんて怪しいと思ったんだよ。」


私を座布団に座らせながら何やらぶつぶつと文句を言う家康は、手首を取り脈を確認していた。





家康 「大丈夫?」



「うん・・・」





涙と呼吸が落ち着いてきた私は、思い切って真意を聞いてみることにした。
今を逃したら、もう聞くタイミングも勇気も無いかもしれない。




「家康・・・?
さっき政宗が聞いてた『惚れてるのか?』って、あれ・・・」



家康 「・・・猫になっても会話は聞けてたんだ」



「う、うん・・・」




家康 「三成ならまだしも・・・
俺まで暗示にかかって、本音が出るなんてね。」






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