第33章 情愛の行方【イケ戦5周年記念】徳川家康編
政宗 「おもしれーもん見れたな!」
秀吉 「あ、ああ。 面白いというか何というか・・・
もしや全員が術にかかってたんじゃないか?
信長様以外」
信長 「貴様ら・・・もっと鍛錬せよ。
どいつもこいつも・・・
莉乃は『俺の』拾いものだ。ゆめゆめ勘違いするな」
そうこうしているうちに謁見は終了し、私は挨拶もそこそこに逃げるように広間から出た。
あのまま、猫でいた方が良かったかもしれないと思いながら。
廊下を小走りで進み、自室へと戻る。
途中・・・
「莉乃、待って」
背中から家康の声が追いかけてきた。
先ほど聞いてしまった、惚れているのかという質問に対する答え・・・
どういう意味だったんだろう?
あの時一緒にいた彼女とはどうなったの??
いろいろ聞きたいけれど、言葉が詰まってうまく話ができない。
家康 「何その顔・・・
言いたいことあるなら言いなよ」
「家康が追いかけてきたんでしょ。
用事があったんじゃないの?」
家康のつっけんどんな言い方に、こちらもとげとげしくなってしまう。
そして少しの沈黙の後・・・
家康 「この間・・・
なんであんなとこで口づけしてたの、光秀さんと」
「家康には・・・恋仲の子いるんだから関係ないでしょ・・・」
家康 「は?恋仲??」
「見たもん・・・」
家康 「知ってる」
「え?」
家康 「ずっと後、つけてたでしょ。
俺が気付いてないとでも思った?」
光秀さんが言ってた通りだった。
私は観念して、その日家康たちを見て後からついて行ったこと。
そしてそれを光秀さんに見られてからの、茶屋での出来事を話した。
あの口づけはふざけされたものだった、とも。