第32章 情愛の行方【イケ戦5周年記念】明智光秀編
政宗 「恋仲!? お前らやっとくっついたのか!」
光秀 「『やっとくっついた?』
誰と誰の話をしている。」
家康 「今更、そういう白々しいのやめて下さいよ。」
家康がぐいっと酒をあおる。
話が読めない。
光秀 「家康、そういうお前は遠回しにものを言うのをやめろ。」
秀吉 「光秀らしくねえな。家康に噛みつくなんて。」
三成 「白々しい、とはどういう意味ですか?家康様」
大きなため息をついて家康が続ける。
家康 「あんな日中の茶屋で堂々と口づけしてるんだから、『公』の恋仲って事ですよね、光秀さん」
ああ、ようやく話が分かった。
ふっと笑いが出る。真に受けていたか。
光秀 「あれはな___」
政宗 「『日中の』『茶屋で』口づけだと!?
家康、本当か、それ!?
光秀はどう見たって『真夜中の』『裏庭』気質だろうが!
お前・・・案外普通なんだな」
政宗が意外だ、という顔をして見てくる。
案外普通、とはなんだ。
秀吉 「いや、普通は茶屋なんかで口付けしないだろ。
お前、織田軍の将なんだから・・・
そういうのは表だってするな、自制しろ、自制を!
遅く来た春だから仕方ないのかもしれんが、浮かれるな。
家臣たちに見られたらどうするんだ?
ったく、受け入れる莉乃も莉乃だ。
政宗ならともかく、光秀が公共の場で発情___」
光秀 「___その話、まだ続くのか」
始まった説教を遮る。
政宗 「・・・今、ちらっと俺の名前出たか?」
秀吉 「とにかく!!莉乃を泣かしたら許さないからな。
でもまぁ・・・これでじれったい二人が思いを通じさせたと言うことで、良かったな。」
三成 「ここ数日、莉乃様が嬉しそうに見えたのは、そういう理由だったのですね!」
ん?
思いを通じさせた?嬉しそう・・・?
これは早急に説明する必要がありそうだ。