第30章 御伽の国の姫~別館~【豊臣秀吉】R18
「う、っく・・・莉乃・・・」
最奥に腰を押しつけ、動きを止める。
全身を駆け抜けていく快感。この瞬間が堪らない。
その間も弛緩を繰り返す中の搾り取られるような感覚に、思わず出てしまう声が止められなかった。
(莉乃Side)
身体の中で何かが弾けたように、そして繋がっているそこから溶けていくような感覚に襲われる。
秀吉さんが奥深いところで動きを止めた。
熱いものが中に放出されるのを、ただ受け取る。
身体の相性が良い、というのはこういう感覚を言うのだろう。
秀吉さんはいつもそう、私のして欲しい事をちゃんと与えてくれる。
私も返せていたらいいのだけれど・・・
「はぁ・・・もう俺、莉乃を離せる気がしねえ。」
額、頬、そして口にチュっとキスされる。
「私だって、秀吉さんを・・・離せる気がしねえ」
そっくりそのまま口調を真似てお返ししてみた。
とびきりの笑顔を添えて。
「それ、俺の真似か!? お前がすると・・・
可愛すぎるな。他の男の前でやるなよ」
垂れ目がつり上がる。
この「咎めてます」の目に思わず笑ってしまう。
「秀吉さんだって、その目。
私だけにしてね。可愛すぎるから。」
「ん?よく分からんが・・・そうする」
二人で笑い合った。
部屋の障子が明るくなってきた。
そこで私たちは夜が明けるまで愛し合っていたことを知る。
「秀吉さんはね、武将だけど・・・
女の子にとっては王子様かもしれない。
格好いいし優しいし気遣いも上手で、愛し方も・・・」
最後の部分は言い切れなかった。
これは私だけの秘密だから。