第30章 御伽の国の姫~別館~【豊臣秀吉】R18
「どうした?」
汗で額に張り付いた前髪を後ろに梳いてやる。
「・・・・・・て欲しいの」
あまりにも小さすぎて聞き取れなかった最初の言葉。
「ん?なんだ??」
てらてらと濡れた唇に耳を近づける。
耳から直接入ってくるその言葉に、耳を近づけたことを後悔したのはその直後。
短い呼吸を繰り返しながら、少し眉間にしわを寄せ、困ったような声で言われたそれは・・・
もう余裕とか、堪能するとか、男としての沽券とか・・・全てを潰す一言だった。
「もっと来て・・・動いて欲しいの・・・」
答えるよりも早く莉乃の中で動きを止められていた塊が反応してしまい、より硬さが増したそれに
「あっ、中、おっきく・・・」
と莉乃の駄目押しの声を聞く羽目になってしまった。
「前言撤回。
めいいっぱい甘やかしてやろうと思ったけど、無理だ。」
腰の律動を開始する。
莉乃に負担にならないようにとゆっくりするつもりが、自制できず、突き動く腰が止められない。
自分で思っていたより、我慢していたらしい。
中を突く度に莉乃から漏れる短い声と肌がぶつかる音、俺の吐く音が被さり合い部屋に響く。
締め付けられる具合から、莉乃が駆け上がっていたのは一目瞭然だった。
意識を外し、せめて莉乃が果ててからだと自分に言い聞かせる。
何度も名前を呼ばれ、目に潤いを溜めた莉乃が
___果てた。
安心した。
最奥まで大きく続けざまに打ち込み、俺自身の欲も最大まで高まっていく。
莉乃は果てた途端、男にとっては『禁じ手』のぐいぐいと締め付けをし、俺もあっけなく陥落した。