第29章 御伽の国の姫~別館~【猿飛佐助】R18
「うん、私も私の全部で佐助君を幸せにするね」
現代で交じ合う事のなかった私たちは、この後世で出会い、繋がった。
運命論者の佐助君には言えないけれど、私たちの出会いが奇跡なのか運命なのか、そんなことはどうだって良い。
「愛してる」ただそれだけが真実で真理だった。
心地よい倦怠感と幸せに包まれて、私たちはそっと目を閉じた。
抱き合って、お互いの鼓動を感じながら。
明け方に佐助君は滞在する自室に戻っていった。
謙信様にばれないように、と。
___翌朝、朝食にて。
春日山城のみなさんと安土の武将たちが一堂に会し朝食を取る。
こんな日が来るなんて、嬉しさで胸がいっぱいだった。
・・・三成君が爆弾発言をするまでは。
三成 「佐助様、昨晩は無事莉乃様のお部屋へ到着できましたか?」
一瞬にして広間がしーんと静まりかえる。
謙信 「佐助、なぜ莉乃の部屋へ向かう必要があった」
「み、三成君っっ!!
そういうのは大人のお約束でしょ!?」
三成 「??何か約束をしておりましたか?
申し訳ございません、失念してしまったようで・・・」
事の次第に気づいた光秀さんが笑っている。
光秀 「ほう、小娘にも相手がいたのか。
まさか敵国の忍びとは。なかなかやるではないか。」
「もう敵国ではありませんよ、光秀さん。
ってそうじゃなくて!」
秀吉 「は?? 初耳だぞ、その話」
納得いかない、という顔で秀吉さんが箸を置く。
義元 「へぇ、佐助がねぇ。
顔に出ないから全然気がつかなかったよ。お似合いだね」
信玄 「佐助と天女が? これは妬けるな。
天女、いつでも俺に乗り換えておいで。」
信長 「佐助、貴様俺の持ち物に手を付けるなど良い度胸をしておる。
斬られる覚悟はできておるのだろうな。」
謙信 「斬るなら俺が先だ。
佐助お前・・・あれほど言ったろう」
眼光鋭く、謙信様が刀の柄に指をかけた、その時・・・