第29章 御伽の国の姫~別館~【猿飛佐助】R18
眉間にしわを寄せたまま、微動だにしない佐助君を下から眺める。
佐助 「俺はちょっとすごい忍者だけど・・・
この状況には太刀打ちできない」
なぜか少し辛そうな佐助君だけど、何を言っているのか分からない。
「さ、佐助君、もう待てないよ・・・」
久しぶりに会えたうれしさと、肌が触れ合う満足感と、気持ちの良さでどうにかなってしまいそうに高まっていた私は、先ほどまで受けていた愛撫の嵐でもう駆け上がり始めていた。
あとは、愛する彼に抱かれる決定打だけ。
佐助 「莉乃さん・・・今動くと・・・」
「めちゃくちゃに抱いて」
さっきの佐助君の言葉を引用する。
また煽って、と思われてもいい。佐助君が欲しいから。
佐助 「あぁ、もう、」
ふぅと息をつくと、律動を始めた。
強く奥まで差し入れられるそれは、佐助君の秘めた情熱を表すかのように私の中で熱くうごめいている。
首元に噛みつかれそうな口づけをされながら、内側の壁をこすり最奥を突かれ、どんどん熱量が上がっていく躰。
短い呼吸を繰り返し、口からはあられもない声が漏れ出てしまう。
運動神経の良さ、だけじゃない。
私を研究しつくした佐助君の腰の動きに無駄はなく、気持ちの良い部分をひたすら突いてくる。
速度も、場所も。その安心感と快楽に私が向かう先は一つだった。
「さ、すけ、君、いっちゃう」
目を開けていられないほどの快楽に飲まれ、その波に委ねた。
佐助 「ご、御免」
ほぼ同時だった。
もしくは、私が果てるのを待っていてくれたのかもしれない。
腰の動きが緩いものに変わる。
どんなに走っても、重いものを持っても息を上げない佐助君の肩が大きく上下に揺れている。
私がそうさせたのかと、なぜか妙な特別感があった。
佐助 「君を愛してる。でも、もっと伝えたいんだ。
だから、これから先、俺の全部で君を幸せにしてそれを証明する。」
そう言っておでこにちゅっとキスをしてくれる佐助君が愛おしくて、私は口にお返しをした。