第28章 御伽の国の姫~別館~【上杉謙信】R18
政宗 「遊びに行ってやるよ、なぁ、家康!」
家康 「え? むしろ謙信さんが時々こっちに遊びに来ればいいじゃないですか。
なんで莉乃がそっちに行く必要あるのか分かりませんね。」
幸村 「ぶっっ! 徳川お前、莉乃に惚れてんだろ」
家康 「そうだけど、なんか問題ある?」
佐助 「!!!!」
幸村 「えっ!?いや・・・ない・・・と思う・・・」
思わぬ発言に広間は若干変な空気になったけれど、秀吉さんがさらなる爆弾発言をしたせいで、家康の起こした空気はすぐに消えてしまった。
秀吉 「謙信殿、祝言を挙げるまでは、せめて許嫁として正式に関係を結ぶまでは、莉乃に手を出さないでいただきたい。
信長様が言われたとおり、莉乃はそちらに『預ける』身。
正式な関係となる前に傷物にされては、帰ってきた時に困るからな。」
謙信 「分かった、約束する。」
完全に涼しい顔をして嘘をつく謙信様の姿にしどろもどろになり、嘘がばれるきっかけを作ったのは私本人だと言うことに気づかず、この会談は終了した。
私が春日山城での生活を始めるに当たり、色々と準備しなければならないことが山積みだった。
謙信様たちは先に城へ戻り、私の準備ができ次第、すぐに一緒に生活が始められるように整えてくれているらしい。
信長様の命で、私があちらでの生活に困らぬようにとたくさんの反物や針子としての仕事道具、家具などもそろえて下さった。
それはまるで、嫁に出すかのように。