第28章 御伽の国の姫~別館~【上杉謙信】R18
信長 「切り出してきたか。
何も言わずに連れ帰るかと思っていたぞ。
貴様、案外律儀な奴だったな。」
三成 「? 謙信様と莉乃様はどういったご関係なのですか?」
光秀 「莉乃はバカみたいにわかりやすい娘だからな。顔に全て書いてある。」
家康 「俺は反対です。
雪深い越後の気候に莉乃が耐えられると思わないんで。」
信玄 「天女が春日山城に住まうのか、それはいい。
確かに冬は雪深いが、いくらでも暖めてあげるから心配ない。」
信玄様がウィンクしてくる。
謙信 「手を出すな、信玄。
まぁ、手を出したところでお前など討ち死にが関の山だろうが。」
幸村 「えっ? 話が読めてねぇのは俺と石田かよ?」
政宗 「要は、謙信と莉乃は恋仲で、安土を出て越後に住みたい、って話だ」
三成 「えぇ!?」
幸村 「はぁ!?」
これだけの武将が私の恋愛の行方を相談するなど、ありえない展開に恥ずかしさもあって何も発せられない。
佐助 「確認だけど、莉乃さんは春日山城に引っ越すのは自分の意思なんだよね?
謙信様に強引に言わされてるとか、そう言わないと安土に戦を仕掛けると脅されてるとか、越後は南国風楽園だとか、そういう事言われてない?」
「も、もちろん、私の意思。」
こくこくとうなずく。
謙信 「ちょっとこい佐助。斬ってやろう。」
佐助 「すみません、謙信様。
俺は完全に理系人間なので、あらゆる可能性を示唆し確認、検証しなければ気が済まないのです。
でも、それを聞いて安心した。本当に莉乃さんの意思なんだね。
じゃぁ俺は応援するし歓迎する。」