第28章 御伽の国の姫~別館~【上杉謙信】R18
目を覆ったまま私から口づけをすると、はっと息をのむ謙信様。
先ほどされた事と同じように・・・
重ね合わせては唇で挟むように噛み、表面を撫でるように舐める。
視界の途切れた状態でされるそれは唇に意識が集中するのだろう、ため息のような吐息が漏れていた。
覆っていた手をそっと外すと、情動を孕んだ視線が私を深くまで貫く。
瞳から、全ての感情が漏れていた。
謙信 「お前は・・・」
そう言って再び組み敷かれる。
既に身体に熱を灯されていた私はすんなりと、謙信様の熱い塊を受け入れた。
「んあぁーっっ、ふ、深いっ」
一気に最奥まで到達したそれは、私の中で硬さを増し背中がのけぞるほど奥に差し込まれた。
謙信 「ここも、全て、俺のものだ」
そう言いながら激しく腰を打ち付けてくる。
荒々しく腰を振るその様は、戦場で刀を振る軍神ではなく、家臣の誰もが傾ぐ戦国武将ではなく・・・
一人の女に愛を打ち込むただの男だった。
謙信様の悲しい過去も、これからの未来も、全部私が引き受けたい。
ありったけの気持ちを込めて、狂ったように腰を打ち込んでくる謙信様に告げた。
「謙信様っ、ください、もっと奥に」
謙信 「お前はどこまでっ・・・ あぁ、与えてやる!」
熱いものが奥で広がるのを感じる。
私の上で息を切らした謙信様を抱き寄せ、ずっしりとした重みごと受け止めた。
求めるとか与えるとか、そういう関係じゃない。
私たちは二人でひとつの完成形なのだと・・・
謙信様の激しい鼓動を感じながら、思い知った。
裸のまま褥で寝転びながら、謙信様が私の髪を梳くのに任せている。
「そうだ、謙信様!お渡ししたいものがあるのです」
まだ力が入りづらい身体を起こし、入り口に落としてしまったままの浴衣と、自分の浴衣を取って戻る。
自分の浴衣さっと着たあと、謙信様にも立つように促した。