第25章 青葉の光明 【伊達政宗】 R18
政宗 「あのなぁ。
家柄だの血筋だのなんてお前が心配する事、ひとつもねぇよ。
そもそもそんな事を気にするようなら、最初からお前を恋仲にしてないだろ。
俺を誰だと思ってんだ。
そんなちっせぇ男だと思ってんのか、お前は。
家柄だの何だのでイチャモンつけてくる奴がいたら、即刻斬って捨ててやる。」
「ちょ、ちょっと政宗、それは物騒だよ」
莉乃に少し、笑顔が戻ってきた。
そうだ、お前に悲しい顔なんて似合わねぇ。
それに…もう二度とあんな顔はさせない。
心に誓う。
それで、だ。
莉乃の掲げる信条。
こっちのほうが家柄云々よりよっぽど大事にしてやらなきゃな。
___『婚姻の約束』か。
信長様が言ってた『筋を通せ』という言葉が蘇りそれと繋がる。
政宗 「莉乃。
明日の軍議、お前も一緒に出ろ。」
「なんで?」
政宗 「いーから。 ちょっとこっちこい」
そう言って莉乃を引き寄せ、腕の中に閉じ込めた。
温かさ、香り、艶やかな髪を堪能する。
政宗 「俺はお前の全部、何もかもが好きだ。
この先一生、離す気ねーから。」
「うん! 私も政宗の全部が好きだよ。
私だって…離れる気ないから」
そういって目をキラキラとさせ、勝気な笑顔を見せてくる。
あぁ、良い眼だ。
ったくこいつは、どこまで俺を惚れさせりゃ気が済むんだか。
俺たちはしばらく抱きしめ合い、気持ちがつながっているのを確認する。
そして、体ごと繋げて、、、
熱を打ち込むたびに、愛してる、と告げた。
莉乃は褥ですやすやと寝息をたてている。
朝も、昼も、莉乃に無理させちまった。
今夜は俺が夕餉を作り、思い切り甘やかしてやろう。
だが先に済ませなければならないことがあった。
穏やかな寝顔を横目で見ながら、文机に向かい親書をしたためた。
家臣を呼ぶ。
政宗 「これを信長様に届けてくれ」
明日は、俺にとっても、莉乃にとっても…
新しい始まりになる。
わくわくとした気持ちを抑え、政宗は台所へと向かった。
莉乃の好物を作るために。