第25章 青葉の光明 【伊達政宗】 R18
いつもように、ただいまの口付けをする。
「軍議どうだった?今、お茶入れるね」
いつもの笑顔で普通通りに見える莉乃。
なんと問いかけて良いか分からず、単刀直入に聞くことにした。
政宗 「なぁ、莉乃。
昨日から俺が中で放つのを止めるが…何か理由があんのか?」
「え…!? どうしたの、突然。」
目を見開いて驚いている莉乃.。
政宗 「子供ができたら…困るとか思ってんじゃねーだろうな」
「そ、それはもちろんそうでしょう!政宗は一国の主なんだし。」
政宗「どういうことだ?
子供の5人や10人くらい、養えるぞ俺は。」
まるでろうそくを吹き消した時のように…
莉乃から今までの明るさがすっと消えた。
「そういう事じゃなくて…
私はしきたりとかよく分からないけど、政宗ほどの武将なら『子供が出来たから祝詞あげます』じゃだめでしょ?
偉い役職の人の許可とか、見合いで家柄がどうのとかあるんだろうし…
私はこの時代の人間じゃないから、家柄とか血筋とか無いじゃない。
政宗とは釣り合いが取れないんだよ。
だからもし子供が出来ても、政宗の正式な奥さんにはなれないしね…
側室って言うんだっけ?
奥さんの二番手三番手、みたいなの。
私はそういうのになるのも無理…きっとすごく嫉妬しちゃうもん。」
そこまで言うと、とても悲しい目をしたまま無理やり微笑んでいた。
愛する女にこんな顔をさせちまうなんて最低だ、俺は。
自分の不甲斐なさに愕然とする。
何が父親だ、何が子供だ。
その前に莉乃の恋仲として落第じゃねーか。
政宗 「お前、そんな事考えてたのか」
「それにね!
もしもそういうの全部ひっくるめて問題がなかったにしても。
私はきちんと婚姻の約束をして、祝言をあげて。
それから赤ちゃんが欲しい。
結婚の理由は『私』だけであってほしいの。」