第24章 悠久と玉響 【明智光秀】
___結局その後も涼子さんは秀吉さんにべったりで、逆に私と光秀さんは蚊帳の外に置かれ、城へと戻る道中も涼子さんは秀吉さんの馬に乗りたがった。
光秀 「これで良かったではないか。人たらしといた方が楽しいだろう、涼子殿も。」
若干、秀吉さんが恨めしい目つきをしたけれど、私も光秀さんと同意見だった。
そして、私自身が、、、
光秀さんと共に騎乗したいと思っていた。
こうして、ダブルデートは成功と言えるのかわからないまま幕を閉じたのだった。
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翌日 軍議にて
今日もお茶を出し終えた私は、末席で皆さんが話すのを聞いていた。
信長 「秀吉、逢瀬の報告せよ。莉乃は無事だろうな。」
秀吉 「はい、莉乃の事は心配ありません…」
心なしか、秀吉さんの声が沈んでいる。
しかも、今日は家康の方を見ようとしていない気が…
三成 「光秀様と涼子様は仲を深められたのですか?」
秀吉 「それが…」
信長 「なんだ、はっきり申せ」
光秀 「俺から説明しましょう。
端的に言うと… 涼子殿は秀吉に乗り換えました」
家康 「ぷっっ、
どうせ光秀さんが適当にあしらったところを秀吉さんが慰めて、惚れられたって流れでしょ。」
秀吉 「うーーん…彼女は俺にはどうも…
家康、すまない」
家康 「嫌です、聞きません。嫌な予感しかしません」
秀吉 「好きな男性の類を聞いたところ、家康が合いそうでな。
うっかり…紹介すると言ってしまった。すまん」
家康 「………三成、お前が代わりに行け」
三成 「いえ、私が家康様の代わりを務めるにはまだ力量不足です。」
笑いが起きる広間。
「政宗、お弁当すごく美味しかった!
みんなで、政宗は小料理屋でもやったほうがいいって話してたよ」
政宗 「おう、そうか!じゃ、やってみるか!」
秀吉 「『みんなで』ではなかったが…政宗、そこは断れよ」
このように軍議は楽しく終了となった。
___若干1名を除いて。
私はこの後、聞いてはいけない会話を偶然にも耳にしてしまい・・・
昨日から感じていたざわつきの答えを知ってしまうのだった。