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【イケメン戦国】永遠の始まり~満ちて果てて~

第24章 悠久と玉響      【明智光秀】




「……様、

……つひで、様!」



「はっ?」


何度も呼びかけられたのだろうか、娘が訝しげに見てくる。



俺から離れていく莉乃たちを目で追うのに集中していて、目の前にいる娘のことは眼中になかった。




莉乃が砂に足を取られ、秀吉が支える。
恥ずかしそうに頬を染め、そして___
手をつなぎ始めた二人…


思わず目を細めてしまった。
どんどん離れていく二人に、いてもたってもいられない。




「___聞いておられますか?」




「あ、あぁ。 涼子殿、俺たちもあちらへ参ろう。
アサリがいるやもしれん。」


そう言うとずんずんと歩き、秀吉たちのいる方へ向かう。


理由はなんでもいい、貝にもこの娘にも興味はない。
とにかくあの二人と距離を空けたくなかった。




「は、はい… シジミではないでしょうか…」





__________





(莉乃 Side)

秀吉さんと二人、水際を歩いていたその時。
背後から人が近づくのを感じた。



「ちょっと光秀さん、何やってるんですか!」


秀吉 「光秀お前っ! 置いてくるなよ!」



はるか向こうに、涼子さんが一人砂で足を取られながらこちらへ進んでくる姿が見える。
慌てて秀吉さんが涼子さんの元へ駆けていった。

気遣い名人の秀吉さんと一緒で良かった・・・





突如光秀さんと二人きりになり、気になっていたことが口をついて出てしまう。



「光秀さん…そんなに逢瀬が嫌でしたか…?」


「腹が減ったのでな。そろそろ昼餉にしようと呼びに来た。」


「えっ? そんな理由で涼子さんを放ってきたんですか!?」


「・・・・」


「光秀さんは感情を隠すのが得意だから、今日の態度はわざと出していますよね。
涼子さんの気を削ぐために。

恋心に応じる気がないのは分かりました。
ですが、せめて今日は、、、普通に接してあげてください。」



光秀さんはいつもふざけた意地悪をするけれど・・・
でも、性根が意地悪な人ではない。


感情を隠すのが得意なのだから、逢瀬が嫌だったにしても他にやり方はあるはずだ。


光秀さんがいつにも増して読めず、私は涼子さんに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。







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